真夏の湿原は、青空と草葉のコントラストが素晴らしいが、非常に暑くて厳しい環境である。
登山ほど標高が高くないため、気温が低いわけではない。
湿原には樹木が少なく、直射日光を浴びることになる。さらに、木道が日光によって熱を持っていて、肉が焼けるほど熱くなっている。
そのため、湿原という涼しそうな名称とは裏腹に脱水症や熱中症のリスクが高い環境である。

私自身、真夏の探索では身の危険を感じることも少なくない。
そこで、真夏の探索を楽しむために脱水症と熱中症の危険性と対策をまとめたので、探索の参考になれば幸いである。
脱水症について
湿原探索には、飲料水を持っていくことが重要である。
それはなぜか?
人の体には、体重の60%ほどの水分が含まれている。
この水分は、人が継続的に活動するために不可欠である。
暑い環境で運動をしたり、飲み物を飲まないことで、体内の水分量が減少することにより、脱水症と呼ばれる状態になることがある。

健康な人の場合、1-2%の水分を失うと喉の渇きを感じ始め、3%で強い喉の乾き、食欲減少、汗が出なくなるといった症状が現れる。
さらに5%以上を失うと体の様々な機能に異常が起こり、吐き気やめまい、精神に異常をきたし始める。
そして、10~20%の水分を失うと死んでしまう。

5%で精神や身体機能に以上が出ることから、ここまで症状が進むと自力での解決が困難になるだろう。
60 kgの人と仮定すると、3.5~4Lほどの水分を失うと死亡する。
また、体が脱水気味になると熱中症になる危険性も増す。
まずは、以下のように脱水症の目安を見ていこう。
体重60kgの人における脱水症初期の目安は?
喉の渇きを感じる最初のラインである1-2%は、どのくらいの量に当たるのか計算してみる。
体内に含まれる水分量は、成人の体重の約60%なので、60 kgの人なら36~39 Lととなる。
この水分量の1~2%、360~780 mlの水分の喪失が、喉の渇きを感じるラインとである。
360~780 mlというとペットボトル1本くらいにあたる。
確かに、これだけの水分が失われることは、危険な感じがする。
では、どのような対策をすべきか。
脱水症の基本的な対策
対策は非常にシンプルで、しっかりと水分と塩分を摂取することが重要である。
喉が渇いたと感じた時点で、1-2%の水分が失われているらしい。
気がついたら、なるべく早く飲むことは脱水症状を防ぐ意味でもかなり重要である。
喉が渇いてから500 mlの水を一気に飲んでも全てが吸収されるわけではない。
そのため、湿原探索のような野外活動では、喉の渇きを感じる前に定期的に飲むように決めておくと良いだろう。
また、汗には水分だけでなく、塩分も含まれている。
そのため、水だけを飲んでいると、塩分不足により足をつりやすくなったり、痙攣を起こしやすくなる。
水と一緒に塩分も摂取した方が良い。
私は、汗をかきやすいので、湿原を散策では1~2L、日帰り登山では4~5Lほど(昼食分を含む)持っていく。
飲み物は荷物の中でも重いので、減らしたくなるが、ガブガブ飲んでも不足しないくらいにたくさん持っていくようにしている。
登山や探索後に水が余っていたら、いいトレーニングになったと思えばいいのだ。
水の運搬は、プラティパスのような大容量の容器に入れて、それをナルゲンボトルに小分けにして使っている。
大元の水を汚したり、失うリスクを減らせる。
プラティパス2L
水を使うごとに徐々に小さくできるので、便利である。
洗うのが面倒なので、直接口を付けずに使う。
家に帰ったら、中を軽く洗浄し、空にして畳んで冷凍庫で凍結させている。
ナルゲンボトル 500 ml
言わずと知れた有名なボトル。
簡易な作りで洗いやすく、丈夫である。
凍らせたり、熱湯を入れても大丈夫。
最初から最後まで使える一本である。
加えて、アクエリアスなどのスポーツドリンクも水分と塩分と糖分を一緒に摂ることができる店で有用である。
個人的には、通常のアクエリアスが甘すぎるので、水を1:1で薄めている。
また、梅のアメや塩あめをはじめとしたキャンディ、ビーフジャーキーなどのような塩分を含むおやつを持っていくことで、塩分を補うことができる。
これらは、何より炎天下で食べると美味しいのでおすすめである。
ビーフジャーキー
あまり好きではなかったのだが、炎天下で食べるとご馳走である。
塩分、タンパクが同時に取れるので、これ以上のものはないのではないか。
値段が高いのが欠点。
酢イカ
タンパク×酸っぱい系で、とても美味しい。
探索の疲労、暑さなどに染みる味。
手がベトつくのが気になるので、車において戻った時に食べるようにしている。
梅昆布
梅系の食べ物はどれもおすすめである。
カロリーは低いが、この塩分がたまらない。
夏のアクティビティには是非とも持って行ってほしい。
熱中症について
熱中症も真夏のアウトドア活動の天敵である。
熱中症とは、体温調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもった状態を指す。
高温多湿な環境で長く活動したり、体内の水分や塩分のバランスが崩れることで起こる。
熱中症になると、立ちくらみやめまいに始まり、嘔吐や痙攣を経て、意識障害へと至る。
筋肉に不調があったり、立ちくらみやめまい感じたら、危険なラインと考えるのが良いだろう。
熱中症の対策
ざっくりまとめると、水分をしっかりと取り、健康状態で炎天下での活動量を制限することが重要である。
前提として、健康状態が良い方が熱中症にはなりにくい。
1日3食をしっかりと食べて、十分な睡眠を取ることは最初にできる基本的な熱中症対策である。
しかし、登山や湿原探索などの遠征では、渋滞を避けるために深夜に出発したり、有給を取るために仕事を詰め込んでしまいます。
社会人でアウトドアをたしなむ人であれば仕方ないことですが、自分たちがリスクグループであることを認識して活動をすることが重要である。
次に、装備について書いていく。
帽子を被り、タオルを首にかけることで直射日光を避けることで頭を守ろう。
風通しの良い服、特に汗が乾きやすい素材の服を着る。汗が気化熱により体温を下げるので、少しマシになる。
水を持っていき、タオルを濡らすなどもいいだろう。
マメに休息を取ることも重要である。
炎天下で活動を続けること自体がかなり危険である。
さらに暑さで汗をかいて脱水状態になると、熱中症のリスクが高まる。
こまめに日陰での休息を取り、水分と塩分を摂取することを強く意識しておく必要がある。
熱中症になった時には、即座に太い血管を冷却する必要がある。
冷却剤を用意しておくと安心だろう。
瞬間冷却剤
叩くことで、一瞬で低温になる。
常温で持ち歩くことができるので、応急処置に持っておくと良いだろう。
幸い、私は使わずに済んでいる。
また、予防的に使うのもありだと思う。
上記に加えて、宿で事前に飲み物を凍らせておくと便利である。
コンビニでも凍った飲み物が売っているので、それを買っても良い。
まとめ
理想としては、朝と夕方をメインにして、一番暑い昼時は涼しい場所で休むことだと思いますが、せっかく遠征しているのに活動時間を減らしたくはない。
なるべくリスクを減らしながら、活動したいというのが本音である。
とは言っても、何より大事なのは命なので、体調の異変を感じて即時対処できるように知識をつけておくことが重要である。
脱水症や熱中症を意識しながら活動することで、熱中症のリスクは減らすことができる。
暑さから身を守りながら、良い湿原ライフを!

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