
秋田県にかほ市にある 獅子ヶ鼻湿原(ししがはなしつげん) は、鳥海山の北西麓、標高およそ550メートルに位置し、深いブナの森に囲まれた湿原である。
この湿原は、火山の噴出と溶岩流、そしてそこから湧き出す清冽な水によって形作られた稀有な湿地生態系である。
国指定天然記念物に指定された植物群落と湧水群、新山溶岩流末端崖を含めた一帯が保全されており、鳥海マリモや奇形ブナのあがりこ大王など、多彩な自然の魅力がひそんでいる。
Get to know the marshes
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Get to know the marshes
獅子ヶ鼻湿原は、鳥海山の火山活動と地形変動を背景にして成立とされる。
約 2,600 年前、鳥海山北麓が崩壊し、東鳥海馬蹄形カルデラが形成された。
その後、崩壊した堆積物が泥流を形成した。
その泥流の上に、何度か新山溶岩流が流れ下り、その末端崖近傍から湧水が噴き出すようになったことで、湿原が形作られてたと考えられている。
この湿原を支える「出つぼ」と呼ばれる湧水点からは、年間を通じて水温約 7.2~7.3 ℃ に保たれ、pH4.4〜4.6 という酸性を示す清水が湧き出ている。
この湿原には「鳥海マリモ」と呼ばれる球状のコケ群落や、通常は高山でしか見られない希少なコケ類が多数生育している。
周囲には「あがりこ」と呼ばれる奇形ブナが林立し、人と自然の歴史が織りなす独特の森の景観を形づくっている。
火山と水、そしてブナ林が織りなすこの湿原は、地質学的にも植物学的にも価値が高く、訪れる者に神秘的な時間を与える場所である。
Touring the Marshes
Early May
新緑と花たちが美しい季節。個人的にはベストシーズン。
積雪が残るため、歩行には注意が必要。



Late July
▼樹林帯と流水が共存する他の湿原には見られない風景である。


▼あがりこ大王と呼ばれる、国内最大の奇形ぶななども知られ、観光としても面白い。

Equipment, stamina, and skills
道がよく整備されており、歩きやすい。
夏場であれば、身軽な格好でも危険は少ない。
樹林帯は暑いが、水の近くは涼しい。とはいえ、2時間30分のコースなので飲み物は必須。
▼距離や時間が記載されたしっかりとした地図がある。

春先は、以下のように残雪が残るため、慣れていない人は避けた方が良いだろう。

Visit the Marshes
facility
toilet
きれいなトイレが完備されている。

parking
▼駐車場は広い。

▼There is a rest area and vending machines at the entrance.


access
▼About 40 minutes from Yusahiko IC on the Nihonkai Tohoku Expressway
weather
▼秋田県湯沢側から直接来られるルートがあったようですが、2021年には通行止めだった。
